2008年1月21日月曜日

雨ニモ負ケズ

雨ニモ負けず 
風にも負けず 
雪にも夏の暑さにも負けぬ 
丈夫な体をもち
欲はなく
決していからず
いつもしずかにわらっている
一日の玄米四合と
味噌と少しの
野菜を食べ
あらゆることを
自分をかんじょうに入れずに
よく見聞きしわかり
そして忘れず
野原の松の林の蔭の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子どもあれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負ひ
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い
ひでりのときは涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼうと呼ばれ
ほめられもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい



これは皆さん良くご存知のこの宮沢賢治の詩です。もちろんMKの子供達もクラスの中で丸暗記している詩の一つです。宮沢賢治全集を編纂した天沢退二郎氏のとても興味深い言葉を読んだので、ぜひここにご紹介したいと思います。

賢治は母から「人に尽くす人になれ」と言われて育ったそうです。実際に村の生活向上のために献身的に働き、優れた文学を残しただけでなく、農学者であり、仏教にも詳しく、学んだ知識を人の役に立てるために実践し続けたそうです。実はこの詩は、昭和6年賢治が過労から寝たきりの生活になり、自分の体さえ思いのままにならなくなっていった病床にて手帳に書き付けられた、自分自信の弱みであり、心のつぶやきの詩だそうです。「そういうものにわたしはなりたい」と自らの気持ちを奮い立たせようとしたのか、希望を持とうとしたのか・・・。結局は健康を取り戻すことなく亡くなり、「雨ニモ負ケズ」は家族の手で発表されたそうです。大人が子どもたちにこの詩を読んであげるのなら、「心身ともに絶望の中にあった人の言葉だと説明して、静かに語り聞かせてほしい。現代では、自分さえ良ければいいという考えが強くなっている。そんな考えに対しては、人から押し付けられるのではなく、自らを戒めなければならない。そのようなことを、この詩は伝えているのだと思います。」と語っています。

子を持つ一人の母として本当に考えさせられる言葉でした。今お金が物さしになっているこの時代に、いったい何人の母親が自分の子どもに「人の役に立つ人間になりなさい」と言えるでしょうか?

長い文になってしまいました。最後まで読んでくださってありがとうございます。
久々の投稿になりましたが、「先生ブログやめちゃったんですか~。」「次を待ってます!」「もうすぐ一年たっちゃいますよー。」と何度もお声をかけてくださったご父兄の方々に感謝です。これからも細く長くがんばります(念のためちょっと弱気な発言にしておきます・・)。

急に寒くなってきました。風邪を引かないように気を付けで下さいね。

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